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「名門校の強さの秘密1」 日大三

みなさん、こんにちは。

今回は2011年夏の甲子園王者で、現在は西東京大会3連覇中の日大三の強さの秘密について紹介したいと思います。

 

 

まず、日大三といえば、「強打」で有名ですね。とにかく打って打って打ちまくって、特に2011年など決勝戦でも11対0のスコアで勝つなど、他を全く寄せ付けない圧倒的な強さで優勝しました。そんな日大三の強さの秘訣は、大きく分けて3つあります。それでは、その秘訣を紹介していきたいと思います。

 

 

1 「質」「量」の両方を両立した練習

 

 まず練習内容に入る前に、日大三の非常に恵まれた練習環境をご紹介しましょう。

 ネット裏にスタンドがある専用グランドを所有しており、さらにその横に合宿所と室  

 内練習場が併設されています。室内練習場には豊富なウエイトトレーニングの器具の

 ほか、マシンが3台あります。

 それでは、そのような恵まれた環境の中、どのような練習をしているのでしょうか。

 

  徹底した基礎の繰り返し

 日大三は強打で有名なため、一日中バットを振っているのではないかと思われがちで

 すが、実は非常に基礎を大切にしているのです。毎日アップに30分はかけ、その後

 も3人1組のトスバッティングやキャッチボール、投内連係やランナーのつけたノッ

 クなど、毎日2時間近く基礎練習に費やしています。そして、その基礎練習の際も常

 に実践を意識して行い、「練習のための練習」ではなく、「試合のための練習」とな

 るようにしています。

 

 「強打日大三」の秘密

 

 

 その基礎練習の後に、強打日大三の秘訣ともいえる打撃練習が始まります。グラウン

 ドに3か所打撃ケージ、室内練習場に3か所打撃ケージを作り、打撃練習を始めま

 す。グラウンドは両脇のケージが実践同様投手による直球と変化球のミックスで、監

 督も投手に「絶対に打たれるな」と促し、常に真剣勝負が繰り広げられています。真

 ん中のケージはカーブマシンをベルトの上の位置にくるように設定し、緩い球を引き

 付けて打たせる練習をさせています。室内も変化球や直球のマシンを3か所用意し、

 直球も130キロ程度に設定し、常に引き付けて打つことを意識させています。打撃

 練習の際、小倉監督は常に「空振りしても詰まってもいいから思いっきり振れ」と選

 手を促しています。決して「右を狙え」や「ゴロを打て」という指示は出さず、思い

 っきり振らせています。これが強打三高の所以なのでしょうか。

 

 地獄の冬合宿

 普段の練習のきつさはもちろんですが、三高の選手たちにとって一番の地獄は、「冬

 合宿」です。

 この冬合宿の内容は、まず朝5時に起床。その後朝練で12分間走をし、その後ジャ

 ンプや屈伸などを取り入れた塁間のダッシュメニューを30分間行う。それが終わる

 と、室内練習場に戻り、16種目のトレーニングに移る。一つの種目を3分間やり、

 1分間休憩する。なんとそれを計16セットも行うのです。それを終えるとようやく

 朝食の時間となりますが、朝食を終えると今度は打撃練習と守備練習を延々と行いま

 す。そうして、夕方6時半にいったん終了して、夕食をはさんで夜8時からはバット

 スイングが始まります。これは約2時間程度続きます。一般的に、1日1000本振

 れば全国トップレベルのスイング量となりますが、三高は多い時では1日2000ス

 イングもしています。

 そして、スイングが終わるとようやく風呂に入り、その後洗濯をして、夜11時ごろ

 にベッドに入り、翌朝5時にまた起床するのです。これをなんと14日間も連続で繰

 り返すらしいです。合宿のメニューをすべて終えた後は、達成感のあまり泣き出す部  

 員もいるそうです。本当に頭が上がりませんね(笑)

 

2 雰囲気

 

 日大三高の強さの秘密の2つ目は、チーム内の雰囲気です。先ほどの練習内容で書い

 た通り、三高の練習量は半端ないものです。しかし、そのような練習に対しても、部

 員の誰一人として無理やりやらされてる感はなく、むしろみんなで盛り上がって楽し

 んでいるのです。先ほど書いた冬合宿の朝練の16種目のトレーニングは、三高の練

 習の中でも1,2を争うきつさであるそうですが、その練習中も大音量で音楽をかけ

 て、まるでクラブで踊っているかのごとくトレーニングを行い、すべて終えた後には

 叫び声をあげながらガッツポーズを挙げる選手や、他の部員とハイタッチをしだす選

 手までいるそうです。また、毎日通常の全体練習で非常にハードな練習を行っている

 のにもかかわらず、全体練習後の自由時間には、毎日室内練習場のマシンの取り合い

 が繰り広げられており、中には朝早くに起きてマシンの打ち込みをしている選手もい

 るそうです。このようにつらい練習も楽しく乗り切ろうとする雰囲気や、疲れていて

 も誰よりも練習をしようとする雰囲気が、この強さを生んでいる要因の1つとなって

 いるのです。

 

3 小倉監督の人望

 

 そして、なんといってもこの厳しい練習を自主的に楽しくやるような雰囲気を作り出

 しているのが、小倉監督の人望です。2011年の夏の甲子園の際に三高の選手が取

 材に対して繰り返し「監督を男にする」と述べていた通り、非常に選手から慕われる

 ほどの人望があるのです。小倉監督が監督として何よりも大切にしていることが、

「選手の心をつかむこと」だそうです。選手の心をつかむために一番大切にしているこ

 とは、選手とのコミュニケーション。千葉の自宅を離れて単身赴任で寮暮らしを続け

 ており、廊下で選手とすれ違えば必ず声をかける。選手が熱を出せば氷枕を作り、医

 者にも連れて行く。風呂も一緒に入り、失敗談も隠さずに話す。そのような上から押

 し付けるのではなく選手とともに歩む指導の積み重ねにより、選手との絆を築いてい

 ったのです。

 

 

以上の練習雰囲気監督の三要素が日大三が名門校であり続ける所以であるのではないかと思います。はたして今年は「強打の三高」がどれほど甲子園を沸かしてくれるのか。期待しましょう。